コマメディア 〜史上最弱の仏弟子コマメ〜

雑誌、書籍で活動するライター森竹ひろこ(コマメ)が、仏教、瞑想、マインドフルネス関連の話題を紹介。……最弱なのでおてやわらかに!

【メモ的シェア】柳田敏洋神父の勉強会に、翻訳家・島田啓介さんがゲスト参加しました

 

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昨晩、ティク・ナット・ハン師(タイ:先生)の『生きるブッダ 生きるキリスト』(春秋社)をテキストにした柳田敏洋神父の勉強会に、タイの翻訳の第一人者である島田啓介さんがゲスト参加された。

 

島田さんはプロテスタントのクリスチャン。

1991年から92年にかけて南米のパナマからワシントンまで10ヶ月間かけて、様々な宗教者とともに徒歩で平和巡礼をした時に、同行者のタイのお弟子さんが持っていた書籍『PEACE IS EVERY STEP 邦題:微笑みを生きる』(春秋社)と出会う。

そこにある「一歩一歩のなかに平和があるんだ」という教えを、平和とは真逆のような紛争地帯や、抑圧される先住民族の居住地を歩くなかで体を通して学び、深く感じ入ったそうだ。

以降、タイの伝えるマインドフルネスの実践と、紹介を続けている。

 

勉強会の前半は、柳田神父が解説をされながらテキストを読み進めていく。今回は第9章の「彼岸」。

この日の昼は、柳田神父の指導でキリスト的ヴィパッサナー瞑想の研修会が開催された。きしくも、そこでの講義のキーワドだった、中世のスコラ学の代表的神学者トマス・アクィナス存在論、「エンス(存在するもの)」と「エッセ(存在そのもの)」とも深くリンクするテーマだった。

柳田神父の解説と瞑想実践をへて、以前この本を読んだときは理解しきれなかったところも、頭の理解を超えて内に入ってきた。

 

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後半の30分ほど、島田さんがお話をされた。

大学入学以降、いわゆる躁鬱病で苦しんだこと。自殺を試みて生還したときに宗教的な体験をして、クリスチャンになったこと。さらにティク・ナット・ハンとの出会いや、現状へと進んでいった。

最後に翻訳された新刊、詩集『私の本当の名前で呼んでください』(野草社)が「迹門」「本門」の二部構成であることを紹介しつつ、「ボクは、迹門にいながら本門にいることを確認するために、瞑想をしています」と結んだ。ここは、エンスとエッセとも直線で繋がるところ。

うーん、仕組まれたようにピッタリの時に、ゲストで参加されましたねぇ。

 

 

 

(おまけ)

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イコン画を学んでいるシスターが、アフリカの有名なイコン画家のキリストとブッダがハグしている作品を模写したものを持参された。左上のチベット語は「平常心」「反応しない」などを表しているそう。

かなりカオスなイコンだが、島田さんは欧米ではクリスチャン・ブッディストという言葉も一般化していると言う。

世界の仏教徒や、仏教に関心がある人と話していると、その仏教の示す世界の広がりに踊ろかされる。おもしろい時代に生まれたものだなぁ。

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上の文の「踊ろか」は「驚か」に訂正するところですが、島田さんからコメントをいただき、あえてそのままにしています。

「ここは修正しないでくださいね。いい言葉です。まさに踊る人、踊らせる人、こまめさん! Let's dance.」

なんで、こんなに端的でカッコいい言葉がけができるのだろう。