父の亡くなった日は、今世紀最も重い風邪をひいて、その症状がピークの日だった。
しかも私が世話人を務める、タイで出家された日本人僧プラユキ師をお招した「瞑想実践の1日」の開催日。なんとか会場を整えて、後は参加を表明していたYさんや、瞑想カウンセリングを申し込んでいたKさんに託し(感謝!)、早びきして家で寝込んでいた。
症状が少し楽になった夜の11時半前に、母から電話があり、先ほど父が亡くなったことを告げられた。
翌日は心身が動かず家で静養したが、その翌日は葬儀業者との打ち合わせがあるので、もう寝てはいられない。この日からは実家に滞在して、忙しくなりそうだ。
実家に向かう朝、夫で整体師のドラジさんがじっくり調整をしてくれた。
最後に、仰向けで目を閉じて寝ている私のお腹に、あれこれ本を乗せて、私の腕を胸のあたりで合わせて微調整のようなことをするという、今まで受けたことのない調整をしていた。
目を閉じている私には、どんな本を乗せているのかわからない。
そうして一通り終わると、「この本を、持って行くといい」とスマナサーラ長老の『慈悲の瞑想 人生を開花させる慈しみ』(サンガ)を渡してくれた。
ドラジさんが部屋にある気になった本を私のお腹に乗せて、バランスが最も整ったのが、この本だったそうだ。
試した本は上の写真にある6冊。左から5冊目まではドラジさんセレクト。『チベットの生と死の書』だけ、ちょうどその時期に読んでいたので、最後に私からのリクエストしたものだ。
(左から順に)
・『慈悲の瞑想 人生を開花させる慈しみ』アルボムッレ・スマナサーラ著(サンガ)
・『怖れ 心の嵐を乗り越える深い智慧』ティク・ナット・ハン著 島田啓介訳(サンガ)
・『死後はどうなるの?』アルボムッレ・スマナサーラ著(角川文庫)
・『今、ここを生きる 新世代のチベット僧が説くマインドフルネスへの道』ヨンゲイ・ミンゲール・リンポチェ(ミンギュル・リンポチェ)著 松永太郎、今本捗訳(パンローリング)
・『イエスとブッダ 命に帰る』ティク・ナット・ハン著 池田久代訳(春秋社)
・『チベットの生と死の書』ソギャル・リンポチェ著(講談社α文庫)
上の写真の左から順番に、より私のバランスを整えたそうだが、その効果の度合いは写真のように等間隔ではなくて、実際には下の写真のような感じ(『怖れ』と『死後はどうなるの?』は同順)。
これは、たまたまこの日の私のバランスを整えた本で、他の人がやれば別の結果が出るだろう。もちろん、本の内容の優越を決めるものではない。
長老とタイ(先生の意。ティク・ナット・ハンを敬愛を込めてこうお呼びする)が1、2番なのは、長年親しんでいるだけに、私の軸となってくれているのだろうか。
訳ありのソギャル・リンポチェの著書が、断トツ最下位なのは苦笑してしまった。
また、同じタイの著書でも、キリスト教との関連を説いた法話的なものより、心と向き合う実践的なものがよりバランスを整えていたのは興味深い。
そして、長老本も死をテーマにしたもの以上に、今の私にはシンプルに慈悲の瞑想が一番かぁ。とても、納得できた。
それなら、この本でメインに取り上げられている「慈悲の瞑想 フルバージョン」を、四十九日中は毎日唱えて回向しよう。
一般に知られている、自分自身や親しい生命から、生きとし生けるもの、さらに嫌いな生命へと順に慈悲の心を向けていく「慈悲の瞑想 携帯バージョン」に比べて、フルバージョンはかなり長く、内容も多重的だ。今まで取り組んだことがなかったので、この機会に本気で向き合ってみよう。