【注意】受付完了のメールが届いていない方は、迷惑メールとして処理されていることが大変多いです。まずは、「迷惑メールフォルダ」などをご確認ください。
イギリスのアマラーワティー僧院のアチャン・ニャーナラトー師とオンラインでつながり、月例の「法話と瞑想の会」を開催します。
Hiriヒリ・Ottappaオッタッパ 〜「慚」「愧」の心〜
今月のテーマは、Hiriヒリ・Ottappaオッタッパです。漢訳ですと「慚」と「愧」となります。
前者は悪行を恥じ、後者は恐れること、と説明されます。つまり、自らの悪に対して恥じる思いであり、その結果に対して恐れの思いを抱くことです。
英語ですと、ヒリはmoral shame(道徳的な恥の思い)もしくはconscience(良心)、オッタッパはmoral fear(道徳的な恐れの思い)のように訳されます。
このようなテーマに出会うと、ひょっとすると、自分自身について責めたり追い込んだりする気持ち・考えが表れてくるかもしれません。もちろん、他の人についてあれこれ断じ糾弾することでもありません。そのため、英語では、時にwise shame, wise fear賢い恥じ、賢い恐れとして、wiseという形容詞を加えて説明されたりもします。苦しみを増すためのものではなく、私たちの在り方を守り、正しく方向づける徳目と理解していただきたいです。
そして、この二つで、Lokapāla Dhammaローカパーラ・ダンマ、つまり、「世界(ローカ)を守護するダンマ(徳目)」とされています。
この二つの心のあり方によって、私たち一人ひとりが、正しく守護されると同時に、世界もまた、支え護られていると言えます。
慚愧というと、通常の日本語の中では、「自分の見苦しさや過ちを反省して、心に深く恥じること」といった説明が見られ、過去に向かった捉え方になっているようです。しかし、上記のように、ヒリ(慚)・オッタッパ(愧)は、今の私たちの在り方を制し、方向を正すものです。したがって、慚愧の心を持つことで、心は安定し、さらには安らぎがもたらされると、いう理解になります。
「世界を守護する法(ダンマ)」と呼ばれているわけですが、混沌とし、厳しい争いや分断が痛ましく深まり続ける現在の世界の有り様の中で、あらためて、心にしっかりと置くことの大切さを思います。
この言葉に慣れない方も少なくないと思いましたので、まず、その意味合いを説明させていただきました。
いつもの会とは違って、メッセージや思い、質問が書きにくいかもしれませんが、例えば、上記の説明からの感想、あるいは、悪の考え、気持ちや行いに対しての心の置き方というような視点でのコメント等々、自由に書いていただければありがたく思います。
─────────────────────────────
日時 2024年5月5日(日)
【重要】質問やメッセージを書かれる方へ、大切なお願い
・申し込み時の質問やメッセージを後から加筆修正したり、あらたに追加した方は、必ず事務局までご連絡ください。ご連絡がない場合は「こくちーず」のシステムの関係上、申し込み時の状態で師に伝わることがあります。
・参加の申込みは当日まで受付けていますが、質問(加筆修正も含む)はできれば開催日の3、4日前には記入されると、多忙な師が回答を吟味する時間が比較的持てます。質問をする方は、日にちに余裕を持って申込むことをお勧めします。
申込み、お問合わせ
アチャン・ニャーナラトー師 プロフィール
本名:中尾茂人(なかお・しげひと)
1958年、奈良県生まれ。
京都大学医学部卒業後、精神的な探求のためアジアを旅し、
タイのワット・パー・ナーナーチャート(国際森林僧院)で1986年サーマネーラ(沙弥)出家、
翌年具足戒を受けて比丘出家する。
タイのアチャン・チャー師系列の寺院で修行後、
2001年からイギリスのアマラーウァティー僧院に移り、
自身の修行と後輩僧侶の指導のかたわら、
欧州各国や日本に招かれ一般に向けての法話会や瞑想会でも指導されている。
仏教総合誌 「サンガジャパン20号」にロングインタビュー掲載
申込み、お問合わせ
ニャーナラトー師「5月の法話と瞑想の会2024」 2024年5月5日 - こくちーずプロ