コマメディア 〜史上最弱の仏弟子コマメ〜

雑誌、書籍で活動するライター森竹ひろこ(コマメ)が、仏教、瞑想、マインドフルネス関連の話題を紹介。……最弱なのでおてやわらかに!

【告知】ニャーナラトー師「6月の法話と瞑想の会2024」のお知らせ:6月2日(日)

 

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 イギリスのアマラーワティー僧院のアチャン・ニャーナラトー師とオンラインでつながり、月例の「法話と瞑想の会」を開催します。

 
 今月のテーマは、「与える」です。
  師のメッセージをお読みのうえ、テーマに関する思いや質問、師へのご挨拶などありましたら、申込み時のアンケートにお書きください。
 
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アチャン・ニャーナラトー師からのメッセージ

「与える」

 

 仏教の言葉である、「布施」は、パーリ語ではダーナDānaで、「与える」を意味します。

 

 私たちは、何を「与える」ことができるのでしょうか。

 モノ、場所、手助け、時間、思い、許しなど、それぞれの置かれた場面や状況な中で、いろいろなことがらがありそうです。 

 

 

 私の止住する(住む、という意味です)アマラーワティ僧院で、先日アチャン・スメードー師の90歳の祝賀行事が行われました。

 タイや世界各地の僧院の代表者をはじめ出家者が140人ほど、一般の参加者は1500人の皆さんが集う盛大な集いとなりました。

 その計画、準備、当日の運営など、僧俗の多くの人の惜しみないサポートがあって、無事、喜びや感謝の深い気持ちの中、素晴らしい2日半の行事が進めることができました。

 そのような中、「与える」ことが、いかに大切で素晴らしいことであるかを、あらためて強く実感しました。

 

 私たちは、特に現代社会を生きる中で、「自分の生活」「自分の所有」「自分の権利」といったことの重要さが強調され、そのために苦労し頑張っていると思います。もちろん、そのことは必要なことであり、生きていく上で不可欠な側面であることは間違いないと思います。

 

 ただ、もし、それらだけが全てになり、頑なに「私のスペース」「私の都合」「私の好み」「私の意見」といったことだけにとらわれてしまい、さらには「私の時間」「私の修行時間」といった形で、「私の」ばかりを主張することになれば、こうしたイベントを開催することは、ほぼ不可能になったことでしょう。

 

 実際には、例えば、食事の準備(何日にもわたって、朝早くから、大変な数の食事の準備がありました)、宿泊所の準備(準備する側も大変ですし、泊まる人々も、いろいろ不便不自由がある中でも、不平不満なく、むしろとても「少欲知足」でした)などをはじめ、皆が、いかに助け合い、譲り合うことを、あるいは許し合うことを常に心に置いていました。

 

 布施という概念でまとめると、物資のサポートという「財施」、調理、清掃、運転、会場の設定等々の「身施」、また、「法施」という法話の機会も多くありました。

 

 「与える」ことが、僧院の全体を覆い、関わった人、参加者のすべての心に、広く深く届いていて、これだけ多くの人の集まる会であっても、喜びの思いが、皆さんの心に強く経験されていました。

 

 

 長くなりましたが、「与える」ことの大切さとそのもたらす喜びをあらためておもいおこす例として書かせていただきました。

 

 「与える」は、ひょっとすると、「私の」もの、こと、さらには「私の所有する幸せ」といったことと相反することのように思えることがあるかもしれません。しかし、実際には、「与える」ことで、心により喜びや豊かさをもたらしてくれることを、もう一度、丁寧に理解し、忘れないようにしたいと思っています。

 

 「修行」として、特に瞑想修行などを考えるときに、自分の修行、自分の時間などとばかり考えて、頑なな態度、捉え方である時、自ずと心の安らぎ、幸せが失われてしまいがちなことは少なくないように思います。

 

 「ダーナ」Dāna(与えること、布施)、「シーラ」Sīla(持戒)が、瞑想を意味する「バーワナー」Bhāvanāと共に常に説かれていることに、あらためてしっかりと理解したいと願っています。

 

 

 「与える」というテーマでの皆さんの思い、経験、願いなど、メッセージや質問をお書きいただければたいへん嬉しく思います。

 

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日時 2024年6月2日(日)

   15:30〜18:30 (途中休憩あり、最大延長19時ごろ)

 

会場 zoom(オンライン)

アクセスに必要なURLなどは、申込み受付のメールでお伝えします。
   

内容  法話、瞑想実践など


参加費 無料
 

【重要】質問やメッセージを書かれる方へ、大切なお願い

・申し込み時の質問やメッセージを後から加筆修正したり、あらたに追加した方は、必ず事務局までご連絡ください。ご連絡がない場合は「こくちーず」のシステムの関係上、申し込み時の状態で師に伝わることがあります。

・参加の申込みは当日まで受付けていますが、質問(加筆修正も含む)はできれば開催日の3、4日前には記入されると、多忙な師が回答を吟味する時間が比較的持てます。質問をする方は、日にちに余裕を持って申込むことをお勧めします。

 

申込み、お問合わせ   

 
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アチャン・ニャーナラトー師 プロフィール

 

本名:中尾茂人(なかお・しげひと)

1958年、奈良県生まれ。

京都大学医学部卒業後、精神的な探求のためアジアを旅し、

タイのワット・パー・ナーナーチャート(国際森林僧院)で1986年サーマネーラ(沙弥)出家、

翌年具足戒を受けて比丘出家する。

タイのアチャン・チャー師系列の寺院で修行後、

2001年からイギリスのアマラーウァティー僧院に移り、

自身の修行と後輩僧侶の指導のかたわら、

欧州各国や日本に招かれ一般に向けての法話会や瞑想会でも指導されている。

 
 2016年7月 NHKラジオ「宗教の時間」出演

仏教総合誌 「サンガジャパン20号」にロングインタビュー掲載

 

申込み、お問合わせ  

ニャーナラトー師「6月の法話と瞑想の会2024」 2024年6月2日 - こくちーずプロ