コマメディア 〜史上最弱の仏弟子コマメ〜

雑誌、書籍で活動するライター森竹ひろこ(コマメ)が、仏教、瞑想、マインドフルネス関連の話題を紹介。……最弱なのでおてやわらかに!

【報告】「ミャンマーの”軍事クーデター”についてみんなで考えてみよう」に参加しました

 

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 昨日、YAMI大学の緊急企画、「オンラインダイアローグ〜ミャンマーの”軍事クーデター”についてみんなで考えてみよう〜」に参加した。

 

 まずは、オンライン・ミャンマーツアーでもお世話になったHOME Mynmar https://home-mm.com の鈴木俊良さんから、軍事クーデターに至る歴史的背景の説明があった。

 帝国主義に翻弄され続け(日本も一時期占領をしていた)、前々世紀から続く少数民族問題……ミャンマーには複雑な歴史がある。この国は自分たちの生活やアイデンティを守るためには、強い軍が必要だったのだろうか。

 

 さらに、日本在住のミャンマー人Mさん(日本語、超堪能!)や、ミャンマー在住の日本人Tさんからリアルな現状を聞く。

   今回のクーデターを反対している国民は、少なくても軍関係者以外の7、8割、実際は置かれている立場から表明できない人もいるので、もっと多くの人が反対ではないかという見方もあるそうだ。

 

 1988年のクーデターで軍事政権が生まれたときも民主化運動に参加していたMさんは、「これが最後の民主化のチャンス」だと言う。もしここで軍のクーデターが成功すれば、当分この国から自由がなくなるだろうと。

  そんな局面でありながらミャンマーの人たちは、CDM(市民不服従運動)としての業務ボイコットや、秩序あるデモ、時間になると一斉に鍋など金物を叩いて抗議の表明をするなど、非暴力なアプローチを守る。

 不当に逮捕されようとする人がいると、地域一体になって鍋を叩いて阻止をする。ちなみに、ミャンマーでは台所の鍋などの金物を叩いて悪霊を追う払う風習があるそうだ。

 

 「できるだけ、犠牲を出さない」「平和な形で民主主義を手にする」というMさんの言葉から、ベトナム戦争時の平和運動の精神的リーダー、禅僧ティク・ナット・ハンの「平和への道はない、平和こそ道なのだ」という言葉が思い出される。

 

 クーデターに対して国際的に抗議声明や経済制裁……様々なアクションがされているが、国や経済界ではなく、日本人の私が個人としてできることはあるのだろうか?

その質問に対して、「日本の人たちに向けて、今ミャンマーでどんなことが起こっているのか発信してください」とMさんは言われた。

 そこで、微力でもサポートになればと、この投稿を書いている。

 

他にも、私たちができること。

・経済的に支える(雇用支援募金などへの協力)

・精神的に支える(日本でのデモの参加。日本在住のミャンマー人の雇用のサポート)

・日本のミャンマーレストランで食事やテイクアウト

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 ふと立ち止まって考えると、今、ミャンマーに限らず東南アジアの多くの仏教国が揺れている。タイは若者たちを中心とした反軍事政権のデモが世界の注目を集め、カンボジアでは民族和解の主柱となったマハ・ゴサナンダ長老亡き後、フン・セン政権は独裁化を推し進めている。ベトナム共産党政権の仏教への統制が厳しくし、帰国されたティク・ナット・ハン師やその高弟方の活動は大きく制限されている。

 

 仏教の先生方の言葉が思い起こされる。
「教えは人生のあらゆる場面に、応用できなければなりません」(ティク・ナット・ハン師)

ブッダは苦を滅する方法を発見して教えてくれたけど、一切衆生の幸福までは実現できなかった。それは私たちに残された宿題」(プラユキ・ナラテボー師)

 お釈迦様が残した大きな宿題を、「この時代の日本に生まれる」という業を持った私はどう手をつけていこうか。足元を固めつつ、視野も広げて行くしかないのだろうなぁ。

 

 この時代といえば、コロナ渦でZoomが一般に普及したため、聴講したいイベントに、今回のように会場に足を運ぶ時間がなくても、また一部家事をしながら(耳だけ)でも参加することもできるようになったのは、本当にありがたいことだ。(ダイアローグの会なのに、グループダイアローグに参加できなかったのは申し訳なかったです)。

 今必要とされる企画を開催された田口ランディさんをはじめ、複雑な現状をわかりやすく説明された鈴木さん、登壇者やスタッフの方々、そして100人を超える参加者の皆さんにお礼を述べたい。