コマメディア 〜史上最弱の仏弟子コマメ〜

雑誌、書籍で活動するライター森竹ひろこ(コマメ)が、仏教、瞑想、マインドフルネス関連の話題を紹介。……最弱なのでおてやわらかに!

【報告】シンポジウム「仏教と脳科学とマインドフルネス」3

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【報告】シンポジウム「仏教と脳科学とマインドフルネス」の報告2の続きです

 

休憩を挟んで、プラユキ・ナラテボー先生(タイ・スカトー寺副住職)の実演・指導「マインドフルネスの実践」だ。

まず 先生は、仏教の核心であり目的は「自他の抜苦与楽である」と、朗らかに言われる。

そのためには、まず「よき縁に触れる」ことが大切だと説かれた。

よき縁に触れるとは、善き人間環境や社会環境に触れ、そこに身を置くこと。特に学生にとっては正しい道や、学習に導くものであり、これは先生や友人、親だけでなく、現在ではネットや本、テレビなどのメディアもあてはまるそうだ。そのため仏教の実践の第一歩は、人や環境を選んで付き合うともに、メディアリテラシー(情報の取捨選択・活用)をもつことも大切だと言う。

  

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ワクワクと目を輝かせ、身をのり出して講義を聞く学生たちの姿が印象的だった。ブッダの教えを現在を生きる自分たちに響く言葉で、かわいいイラストが豊富なパワーポイントを駆使してプレゼンする黄衣の比丘は、とても新鮮だったのだろう。

 

さらに、マインドフルネスの実践として「気づきの瞑想」のひとつ、手動瞑想の指導が行なわれた。

この瞑想は座ったまま、目も開けた状態で、体操のように両手をリズミカルに動かすことを繰り返していく、個性的な瞑想だ。ポイントは、手にグッと集中するのではなくて、今手がどこにあるかに、パッパッと動きに合わせて「気づいて」いくこと。

これは覚醒力に特化した瞑想で、今ここに気づいていく(マインドフルネス)力を培っていくことができ、日本でも精神医療における研究や、臨床への導入が始まっているそうだ。

300人ほどの参加者が一斉に手を動かして瞑想する光景は、静かな迫力があった。

 

(浅井智久先生の講義に続きます)