©2016 Speakit Productions Ltd/ Max Pugh. All Rights Reserved.
先月、世界的禅僧ティク・ナット・ハンとプラムヴィレッジ・コミュニティを題材にしたドキュメント映画、『WALK WITH ME マインドフルネスの教え』の試写会にご招待いただいた。
この映画は監督の一人(監督は二人)の弟が、妻とともに夫婦でPVで出家したのが制作の発端だという。監督にはチェリストとして活躍していた弟が、地位も財産も全て投げうって出家したことが理解できなかった。
そこで、プラムヴィレッジを設立したティク・ナット・ハンの映画を撮ろうと、数ヶ月の予定でフランスのプラムヴィレッジに滞在。しかし、ともにマインドフルネスのプラクティスをするうちに、伝えたいテーマは変わっていき、結局クラウドファンディングなども利用して3年以上かけて、この映画が完成させたそうだ。
映画は、僧侶(ブラザー&シスター)たちが内省とプラクティスに励む、静寂な冬の日々から始まる。やがて季節は、リトリートに参加した元気な子どもたちの声があふれる夏へ。
さらに彼らは、自然ゆたかなプラムヴィレッジを離れ、アメリカの大都市へと向かう。
人々が信念を掲げて非難し合う街角でのプラクティス、Juvenile Detention Center (日本では少年院や少年鑑別所にあたり施設)への訪問、親との再会……
出家者とはいえ、彼らは決して社会と切り離された存在ではなかった。プラムヴィレッジの日々の実践で育まれた、今を真に生きる力は、家族から社会までを変えていく原動力となる。自分を変えられる者が、世界を変えることができるのだ。
ブラザー&シスターたちのゆったりとした所作が、かみしめるように語る言葉が、そして随所に流れるシスター・チャイの包み込むようなバイオリンの調べが、見るものの呼吸を自然に深くゆったりとしたものへと導いていく。そうして、いつしか彼らの呼吸と、自分の呼吸が重なっていることに気付く。
実際、この作品はマインドフルネスの実践ができ、その核心を伝えるられるように制作されたという。
ティク・ナット・ハンも、「呼吸に気づきながら、この映画を大勢の人と観ることによって、映画館を瞑想ホールそのものにしてください」と、映画館で観ることを望まれたそうだ。
今月、日本各地で出演した僧侶方によるトークや、マインドフルネスのミニ体験ができるプレミア上演会が開催される。関心のある人は、ぜひこの機会に観ていただきたい。
マインドフルネスの実践者はもちろん、慌ただしい日常生活に疲れた人から、社会を変えたいと模索している人まで、今を真摯に生きようとする人に豊かな気づきを与えてくれるだろう。
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↓森竹がロンドン滞在時に、ロードショー上映を鑑賞した簡単な報告です。
以下、特設サイトからの転記。
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『WALK WITH ME マインドフルネスの教え』日本上映情報
ベネディクト・カンバーバッチがナレーションし、世界的禅師・
<ナレーションを担当した、俳優ベネディクト・カンバーバッチの公式ステートメント> 数年前、私は仏教僧院で真に意義深く、生きることに充足感がもたらされる体験をし、今回光栄にも映画『 WALK WITH ME マインドフルネスの教え』のナレーションに招かれました。
この映画は禅師ティク・ナット・ハンの世界を探訪しながら、映画館が静かな瞑想の場へと変わっていく、 パワフルな映像体験です。
この映画は、慈愛や慎みと共に生きることは可能であることを私たちに見せてく れる、仏教僧たちの共同体へといざなう旅であり、 また私たちの日常を占める暴力と分裂のニュースのサイクルに対す る解毒剤です。
ひとりひとりの変容と、今この瞬間に真に生きることをもって私たちは世界に変化をもたら すことができます。
映画WALK WITH MEは私に深い希望の念をもたらしてくれました。
この映画がいま、世界中の観客の皆さまと共鳴し続けていることを嬉しく思っ ています。
2018年
4月14日(土) 東京
マインドフル・ピクニック+プレミア上映会
4月15日(日)、16日(月) 京都
ワークショップ+プレミア上映会
4月20日(金) 福岡・博多
トーク&プレミア上映会
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