コマメディア 〜史上最弱の仏弟子コマメ〜

雑誌、書籍で活動するライター森竹ひろこ(コマメ)が、仏教、瞑想、マインドフルネス関連の話題を紹介。……最弱なのでおてやわらかに!

【報告】テーマは「自由に生きる」。タイで出家された日本人僧プラユキさんの「夜のお話と瞑想の会」を開催しました。

 

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 2015年12月16日(水)、お茶の水の昇龍館ビル(通称サンガビル)で、タイで出家された日本人僧プラユキ・ナラテボーさんをお招きして「夜のお話と瞑想の会」を開催しました。師走の慌ただしい時期ですが25人ほどが参加され、穏やかな一時をプラユキさんと共にすごすことができました。

 

前半 法話「自由に生きる」

 今回の法話のテーマは、プラユキさんの新刊のタイトルそのままの「自由に生きる」。事前に参加者からリクエストをいただいた、「どんな場合でも自殺してはいけませんか?いけないとしたら、なぜでしょうか?」といった問いを出発点に、私たちが自由に生きる道のりをお話しされました。

 

  まずは、「仏教は抜苦与楽の道です。自分も、周りの人も苦しめる自殺はしなくていいですよ」と、仏教の立場から軽やかに自殺を否定されました。そして、自殺の原因である苦しみは心の問題であると解説。さらに、その苦しみにハマりこまずに、心と向き合い適切に対応することで、苦しみから解放されて自由に生きることができると説かれました。

  

 今回もプラユキさんの名言が続出!そのいくつかをご紹介します。

 「四聖諦は、ブッダ的視点の自殺不要論です」

……四聖諦とはブッダが「苦しみはあるが、滅することができる」と説いた、仏教の中核ともいえる教えです。それをプラユキさんは「苦しみはあるけど、ちゃんと滅することができるとブッダは言われて、その方法も教えてくれました。だから、自殺する必要はないんですよ」と、自殺の文脈から読み解かれました。

 

「ブッダは職人的な人。大きな苦しみから、微細な苦しみまで向き合って滅していきました」

……ブッダは聖人ではなくて、職人!ブッダを「人間ブッダ」として語るプラユキさんならではの至言です。職人が一つ一つの行程を丁寧に作業をするように、ブッダも苦しみを滅する作業をされたと思えば、私たちも同じ事ができると、やる気ががぜん湧いてきます。

 

 

後半 瞑想の実践、質疑応答

 

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 後半は、まずは心に適切に対応する練習でもある、瞑想実践を行いました。”手動瞑想(チャルーンサティ)”と、広い会場を輪になって”歩く瞑想”の指導を受けました。その後の質疑応答では次々に質問が出て、終了予定時間をオーバーしながらも、参加者の疑問や悩みに丁寧に回答くださいました。

 

 新刊「自由に生きる」の発売は12月25日ですが、版元のサンガさんの協力で、会場で先行販売されました。多くの参加者が購入され、終了後プラユキさんの前にはサインを待つ長い列ができました。

 

 そして、同じ会場で引き続き行われた懇親会では、「どんなふうに布(法衣)を巻いているのですか?瞑想会中、気になって仕方なかったんです」と着物姿のYさんから質問が。なんとプラユキさんは気さくに法衣の布を広げて、体にクルクルと着付ける実演をして下さいました。1枚の布がスルスルと法衣になるプロセスは、まるで手品を見ているよう。みんなの目は釘付けでした。

 

 今回は全体を通して、いつも以上にプラユキさんと参加者が触れ合えた「夜のお話と瞑想の会」になりました。そして私にとっては、軽やかに、朗らかに生きられるプラユキさんは、「自由に生きる」ことを体現されている存在なのだなあと、再確認する機会にもなりました。

 

 (おまけ)

会場では、ひっそりと「タイ仏教フェア」が開催されていました。

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