昨日(1月16日)は、仏法学舎の妙光様の通夜で熱海へ。
玄関に入ると仏法学舎の尼僧の法道さんと、ダンマサークルのJさんが穏やかな笑顔で迎えてくれた。ここでは眉間にシワを寄せて暗い顔を作らなくてもいいのだと、ホッとする。
受付の人たちも、参列された人たちも、一様に顔が明るい。
導師のスマナサーラ長老は開口一番、「楽しく葬儀をしましょう」と言われる。
そして、「ただ我々は心を清らかにして、全ての現象が無常であるということを学びましょう」と続ける。
祭壇は日本の葬儀スタイルでしつらえていた。
供花の「修行者一同」という札名にぐっとくる。
壇上にはスマナサーラ長老とヤサ師、そしてご帰国中のニャーナラトー師が並んで座られた。
葬儀はテーラワーダ仏教のスタイルをベースに行われた。三帰依にはじまり、日常的に唱えられている経典を参列者で読誦。
かの国の通夜では「四念処経」がずっと唱えられるそうで、それにならい参列者の焼香中(これは日本的ですね)にスマナサーラ長老とヤサ師が読経された。
その後、慈悲の瞑想をじっくり行い、独特のシルバーのティーポット(でいいのかな?)を使用した回向の儀式が行われた。
最後に長老が、短いお話しをされた。
妙光さんは私からみても素晴らしい人。修行が進んでいるので、微塵も心配することはない、と。
そして妙光様をお世話していた法道さんが菩薩のように完璧な憐れみをもってお世話したことを労い、「人をお世話するなら、助けるなら、法道さんのやり方が模範です」と結んだ。
心を清め、回向をし、僧侶からこれからの生きる糧となるお話を聞く……テーラワーダ仏教の葬式は死んだ人より生きた人のためにすると聞いていたが、確かにそのようだ。
通夜振る舞いは、法道さん手作りの妙光様の好物が並んだ。おいなりさん、煮物、ポテトサラダ、大豆の唐揚げ、きんぴら……、どれも健康に配慮し、素材を生かした優しい味だった。
妙光様には、仏法学舎で開催された日本テーラワーダ仏教協会の瞑想合宿や、昨年主催したニャーナラトー師の瞑想リトリートで大変お世話になった。
多くの苦労を経験された妙光様に、私は包容力あふれる女傑といった印象をもっている。
英国のアマラウァティ僧院で体験したニャーナラトー師の瞑想リトリートを日本でも実現したいと相談したときの、とても喜ばれた笑顔も忘れられない。
このような瞑想修行の場を作り守られてきたことに深く感謝し、この世に残る私はさらに精進を続けていこう。