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雑誌、書籍で活動するライター森竹ひろこ(コマメ)が、仏教、瞑想、マインドフルネス関連の話題を紹介。……最弱なのでおてやわらかに!

【シェア】来日されたスカトー寺僧侶方の1日瞑想会に参加しました(午後の部I)2

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            来日されたスカトー寺僧侶方の1日瞑想会に参加しました(午前の部)1

     

午後からは実践(ワーク)がメインに。

まずは、円座になって「自分を目覚めさせるゲーム」です。

あるルールにしたがって、数字を英語で一人づつ「ワン」、「ツー」…と順番に数えていきます。

もし間違えた人がいたら、また1から順番に数えていく。

50まで数えるのを目指しますが、途中で誰かが間違えてなかなか達成できません。

 

途中でノース師が参加者に、ゲーム中どんな感じだったか質問されました。

参加者A「ドキドキしました」

ノース師「ドキドキしたのが、見えていましたか?」

参加者A「はい、見えていました」

ノース師 (満面の笑みで、手をグーサイン👍)

 

参加者B「とても緊張しました」

ノース師「どうして緊張したのかな?」

参加者B「間違えてみんなに迷惑をかけてはいけないと思い、緊張してしまいました」

ノース師

「心にどういうことが生じているか、気づきましたね。

このゲームはいろんな感情が起こってくるのを、見る練習にもなります。『人に迷惑をかけないように、しっかりやろう』というのはよい感情ですが、そのために緊張すると苦しんでしまいますね。ですから、それにハマりこまずに離れてみましょう。

私たちはこれまでやってきたパターンで反応して、日常生活を送っています。でも気づきを間に合わせていけば大丈夫、そこから離れることができますよ」

 

このワークは、とても盛り上がりました。

スカトー寺の僧侶方も一緒に楽しまれていましたが、エキサイトされないでとても軽やか。今ここでの出来事を純粋に楽しまれているマインドフルな姿が印象的でした。

 

ところでこのワーク、なかなかよくできています。

「気づきってなに?」「感情をみるってどういうこと?」という瞑想ビギナーに、言葉で説明するのは難しいものです。でも、このワークをすることで、リアルに実感できるのではないでしょうか。

そして気づきの瞑想の実践者には、日常から一歩離れた安心できる空間でワークすることで、次々とわきあがる感情や、自分の心のパターンが気づきやすくなります。さらに、そこから離れていく練習の場にもなる。

勝ち負けがなく、みんなで協力してクリアするというコンセプトも、なかなか仏教的ですね。

 

最初は、テーラワーダ仏教の瞑想会でゲームのようなことをするのに、少々驚きました。

思えば、日本で開催されるテーラワーダ仏教系の瞑想会は、仏教瞑想やテーラワーダ仏教に興味を持つ人を主な対象にしていました。

でも、最近は仏教をルーツとするマインドフルネスが認知されだし、瞑想に幅広い人が関心持つようになりました

実際、この日も瞑想やテーラワーダ仏教に馴染みのない参加者が大多数。しかも小学生から70代と思われる方まで年齢層も広範囲です。

ですから、親しみやすいワークを交えるのも理にかなった方便かもしれません。一般の人もワークを通して自然にブッダの教えにふれ、気づきを育むことができるからです。

この辺は、(テーラワーダ)仏教先進国から学ぶことが多そうです。

 

これまで私は「瞑想会は静かで厳粛でなければ」という思い込みがありましたが、それが鮮やかに外れました。(とは言え、沈黙のなかで行う瞑想会のよさは実感していますし、やはり執着もありますが……)

 

              「午後の部II」に続きます↓

               来日されたスカトー寺僧侶方の1日瞑想会に参加しました(午後の部II)3