発売時は日本を離れていたため告知のタイミングを逃していましたが、現在発売中の仏教総合誌『サンガジャパン Vol.28 医療と仏教』で、早稲田大学教授・医学博士の熊野宏昭先生のインタビューと構成を担当しました。
マインドフルネスを医療の現場に早い時期から導入され、各メディアで活躍されている熊野先生は、西洋医学だけでは限界を感じ、東洋的なもの、日本的なものに希望を見い出し、心身医療や東洋的な医療も実践されています。
そこで、今号では「日本的マインドフルネスとは何か」というテーマで、お話をうかがいました。熊野先生は、鈴木大拙の『日本的霊性』を手がかりに、西洋経由ではない、日本人のなかに根付いているマインドフルネスについて考察。さらに、西洋と東洋の交わりから生まれる、より効率的な医療を模索されます。
特集では、仏教という価値観を通して、医療の未来を見据える『サンガジャパンVol.28』。
そして連載は、スマナサーラ長老(テーラワーダ僧侶)と藤田一照師(禅僧)の「テーラワーダからみた禅」、井上ウィマラ先生(高野山大学教授)と大谷彰先生(催眠治療の世界的権威)の「マインドフルネスの諸相を探る」の両対談や、チベット仏教の永沢哲先生や、テーラワーダ仏教の藤本晃師、そしてマインドフルネスの島田啓介氏(翻訳、著述家)ら、日本の仏教の最前線が見えてくる充実の布陣です。
詳細は、以下のサンガのニューレターのコピーで確認ください。
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『特集 医療と仏教—仏教が補完する医療の未来—』
編:サンガ編集部
発売日:2017年12月25日
本体1,800円+税
【内容紹介】
医療と仏教—仏教が補完する医療の未来—
「なぜブッダは「医王」と呼ばれたのか?」である。
「心がすべての病の原因である」という考え方が、
現代の医療現場で暗黙のタブーになっている問題を指摘しながら、
現代医療がどのようにその壁を乗り越え、
真の意味で心と体の全体をとらえる医療として発展していけるのか、
その可能性を探究する。
つぎは医療の分野におけるマインドフルネスの泰斗・熊野宏昭氏が、
自身の経験を辿りながら西洋医療の限界と
日本的なマインドフルネスへの視点を提供する。
在るべき医療の姿を模索する意欲的なインタビューだ。
そして「仏教と医療との邂逅」では
現役の精神科医にして禅僧の川野泰周氏が、
昨今のマインドフルネスブームの問題点と可能性、
そして日本の禅が伝え継いできた修行文化
の中にある治療的な側面など、医療と仏教の連関を考察する。
ダライ・ラマ法王の担当医を務めるDr.バリー・カーズィンは
現役のチベット仏教僧である。
チベット仏教と医療者をつなぐ架け橋として講演や瞑想指導で
世界中を回る彼にノンフィクション作家・佐々涼子氏が、
自身の手術体験をもとに、患者とその家族を
含めた心理ケアについてインタビューしている。
日本人唯一のチベット医である小川康氏には、
西洋の薬学を出自としながらチベットで修行し
チベット医となった自身の経験から、
チベットの文化とその中で機能する医療の在り方と、
そこから現代の日本社会がくみ取るべきものを描出いただいた。
「禁煙とマインドフルネス」では医学博士・磯村毅氏に、
マインドフルネス瞑想が依存症に対して
どのような効果を持つのか、
依存症のメカニズムと脳の機能に踏み込みながらご解説いただいた。
「僧侶になった「元プロボクサー医師」」は、
を務めた川島実氏へのインタビューである。
本吉病院院長時代から取材を続けていたサンガ編集部が、
東大寺で得度されたという川島氏に再会した。
本特集最後のブックレビュー「河合隼雄─医療と仏教をつなぐ人─」
では、従来の西洋心理学に疑問を呈し日本の心理学に多大
な影響を与えた河合隼雄氏の経歴を著作とともに振り返る。
(扉後半より抜粋)
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■目次
- 特集「医療と仏教—仏教が補完する医療の未来—」
「日本的マインドフルネスとは何か」熊野宏昭
「仏教と医療との邂逅」川野泰周
「チベット仏教と死と医療」Dr.バリー・カーズィン/佐々涼子
「チベット医学と仏教」小川康
「禁煙とマインドフルネス」磯村毅
「僧侶になった「元プロボクサー医師」」川島実
「河合隼雄—医療と仏教をつなぐ人—」三砂慶明
- 寄稿
「インド国立ナーランダー大学留学記」中村龍海
- 連載
第2回「テーラワーダからみた禅」アルボムッレ・スマナサーラ×藤田一照
第2回「マインドフルネスを歩く」島田啓介
対談第3回 「マインドフルネスの諸相を探る」井上ウィマラ×大谷彰
パーリ経典解説第4回 アルボムッレ・スマナサーラ
第12回「日本仏教は仏教なのか?」藤本晃
第4回 「光の哲学 第一部 虹の身体」永沢哲
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