川崎市市民ミュージアムで開催中の「MJ’s FES SINCE1958 みうらじゅんフェス!マイブームの全貌展」に行ってきた。
世間的には、「マイブーム」「ゆるキャラ」などの命名者として知られるみうらじゅん氏は、2018年2月1日で還暦を迎えた。本展は、その生誕60年を記念し、甚大かつ深遠な創作活動に迫る展覧会……だそうだ。
なんと、市民ミュージアムで、みうらじゅん展ですよ。1995年に、当時住んでいた杉並の区立図書館で『やりにげ』(リンクは2013年刊の文庫版)をリクエストしたら、後日「このような不純な内容の本は、図書館では購入できない」といった主旨の電話連絡がきた経験を持つものとしては、隔世の感を禁じえない。
会場の入口では、巨大な「ツッコミ如来立像」がお出迎え。この仏さまは、人間の生み続けるボンノウに対して、漫才師のように「もー、いいかげんにしなさい!」とツッコミを入れてくださる、ありがたい存在だ。本展のご本尊ともいえる像に挨拶をして、会場に入る。(会場内はカメラ撮影OK)
第一会場ではみうら氏の軌道をたどるように、小学生時代に自ら編集、制作を手掛けたマンガや、仏像のスクラップブックにはじまり、中高生時代のエッセイやイラスト、持ち込み時代のボツ作品、メジャーデビュー後に発表した本やCD、仏画曼荼羅の原画、そして撮影スポットとして仕事部屋の再現などがあった。
第二会場はみうら氏の「マイブーム」で収拾してきたコレクションと、「ゆるキャラ」関連の展示がメインとなる。
52都道府県のゆるキャラと、みうら氏のオリジナルキャラ「かえるくん」や「ウシ」らとコラボした、勝手に観光協会ご当地スタンプコーナーが。ここの表示でみうら氏が、「押して!押して!押しまくれッ!!」と言われるので、即興のアートっぽくなるのを狙って、あえて52種類のスタンプを1枚の紙に押してみた。
スタンプをどんどん押し重ねて、何が何だかわからなくなっても一心不乱(あるいはマインドフル)に押しまくる、かなりヤバい人、みうら氏的には「どうかしている」状態になっていた。こうなるのも、会場内にこもる氏の尋常ならざる情念にやられたせいだろうか。
出来上がったものは、残念ながらアートと言うには何か足らない。でも「そこがいいんじゃない」(byみうら氏)
ところで、みうらじゅんのコレクションといえばエロスクラップは外せないが、中学生以下は無料の市民ミュージアムで、どのように展示をするのだろうか。とても気になっていたが、会場には18禁のエリアが。
「刺激の強い作品が含まれるため。18歳未満の方は入れません。ご協力のほど、よろしくお願いします」との表示、これは、期待できそうです……
で、どうだったかはネタバレになるので書きません。でも、一言いえば、この展覧会の見どころの一つは、期待をもって18禁エリアに入った人が、拍子抜けして出てくる時の表情の落差です。
学芸員さんたちは許された条件のなかで苦心されたことと思いますが、根本的に親方のお役所は、95年からあまり変わっていなかったということですね。