先日、全国各地のプラムヴィレッジ(PV)サンガで、「気づきの日 Day of Mindfulness」が開催されました。
プラム・ヴィレッジは、西洋のマインドフルネス・ムーブメントの父として知られる禅僧ティク・ナット・ハン(タイ=先生)の本拠地、南フランスにある僧院です。タイは仏教の核心をマインドフルネスから説かれ、アメリカの連邦議会や英国議会、ユネスコ本部、Google本社などにも招かれて、講演や瞑想の指導をされています。
PVサンガは世界的なマインドフルネスの実践者の集まりで、国内でも20年以上続く老舗から、今年誕生したものまで10団体以上が活動しています。 最近はマンドフルネスが注目されるようになり、その本流を体験できる「気づきの日」の参加者も増え、この日は「微笑みの風」でも初参加者が約十人を数えました。
月に一度合同で行われる「気づきの日」は、午前中はインターネットテレビ「ズーム」でつながり、日本のサンガのメンターであるアン・フーンさん、トゥさん夫妻から法話と瞑想ワークを受けます。アン・フーンさんは米国ワシントン在住の、PV公認のダルマ・ティーチャー(法話師)。ティク・ナット・ハンの姪であり、最初の弟子の一人でもあります。
私はこの日はお手伝いを兼ねて、東京を拠点とする「微笑みの風」サンガに参加しました。会場は九品仏浄真寺(世田谷区)の参道に建つ会館です。
・アン・フーンさんの法話
フランスのトラックテロ事件が起きてから日が浅いこともあり、法話でも話題にされました。
テロリストの心の中には、大きな恐れがあります。彼らは恐怖や苦しみで一杯です。彼は自分の苦しみを抱くということを、知らないのです。フランスのテロも、マインドフルネスのない(気づきのない)状態で起きました。
アン・フーンさんは、テロを起こす人たちを非難するのではなく、彼らは大きな苦しみを抱えていること、でもその苦しみを癒すすべがないままに、事件が起きたことを指摘されました。
さらにお話は続きます。
でも、私たちは自分の苦しみを抱き、人々を助ける力に変えることができます。私たちはマインドフルネスである(気づきがある)ことで、恐れから考えたり、話したり、行動するのをやめることができます。
・深くくつろぐ瞑想
今回は、アン・フーンさんの夫、トゥさんがインストラクションを担当。温厚で落ち着いたトゥさんの声は、安心感を与えてくれます。
・質疑応答
いくつかの質問に、アン・フーンさんが丁寧に答えてくださいました。外国人の男性からは「現在の不安定な社会情勢に、どう向き合っていけばいいのか」といった問いかけが。アン・フーンさんはマインドフルネスな呼吸があると、絶望や恐れに取り込まれないことですむことを、自分の体験を交えながら話されました。
嵐のような世の中を過ごしていくには、マンドフルネスの呼吸が自分に戻る力強いアンカー(錨)になってくれます。そのようにして、まずは自分自身が救えなかったら、自分の家族や、サンガの仲間を救うことができません。
・午後の部
「ズーム」を通じた全国のサンガの合同プログラムはここまでです。これ以降は、各地のサンガで独自に過ごします。「微笑みの風」サンガは、食べる瞑想(ランチ)と休憩の後は、室内でプラムヴィレッジの歌、そして野外で歩く瞑想と続きます。
並木が心地よい日陰をつくる参道を、列になって歩く瞑想をしました。
九品仏の境内に入ったら、行列を解いてそれぞれのペースで歩く瞑想に。
お地蔵さまの赤い前掛け(よだれかけ)が、緑で覆われた境内に映えます。
立派な山門にむかって歩く瞑想。この日は夏日でしたが、緑あふれる境内には時折爽やかな風も吹きました。
本堂に向かう石畳。都内とは思えない広くて清浄な境内に、心身からリラックスできました。
その後、「ファイブ・マインドフルネス・トレーニング(PV流の五戒)」の読み上げ、深く聴き深く話す実践「ダルマ・シェアリング(わかち合い)」が行われました。
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全国のPVサンガ合同で行う「気づきの日」は月に1回開催され、次回は8月7日(日)の予定です。
参加資格はなく、宗教も問いません。実際、各地のコアメンバーには神職(宮司)や、クリスチャンもいます。1回だけでも気軽に参加でき、参加費は千円前後。なお「微笑みの風」の会場は、次回は中央区になります。
主な参加予定のPVサンガ
- 微笑みの風(東京)
- ゆとり家(神奈川)
- 名古屋サンガ
- 関西バンブーサンガ(大阪)
- 京都マインドフルネスプラクティスグループ(京都サンガ)
- 四国サンガ
- 沖縄サンガ
- 富士山サンガ
- 琵琶湖サンガ
詳細は公式サイトで!→「ティク・ナット・ハン マインドフルネスの教え」