コマメディア 〜史上最弱の仏弟子コマメ〜

雑誌、書籍で活動するライター森竹ひろこ(コマメ)が、仏教、瞑想、マインドフルネス関連の話題を紹介。……最弱なのでおてやわらかに!

【報告】ケネス田中先生の「仏教を初歩英語で学ぶ会」が、仏教英語ガイドの育成も視野に入れたカリキュラムにリニューアルしました。

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            仏教マンガの絵柄は、なぜかコナンの青山剛昌テイスト 

  

 2014年、世界的禅僧ティク・ナット・ハンの4週間におよぶサマーリトリートに参加して痛感したのは、自分の英語力の無さ!

 リトリート(瞑想合宿)は世界約50カ国から千人近い人が参加しました。そのため、会場の僧院プラム・ヴィレッジ(PV)は南フランスにありますが、私の滞在したをPVを構成する尼寺のニュー・ハムレットは英語が標準語。法話やアクティビティは日本人尼僧のシスター・チャイや、日本人ボランテァイの通訳が入るので不便はないのですが、日常での会話があまりできませんでした。 

 滞在中の夏の夕暮れどき、僧院の緑濃い庭で他国の人も交えて、お茶を飲みながらいろいろな話をしました。自国でのプラティクス、慈悲の瞑想の効用、上座と大乗は自分の中で矛盾しない……興味深い話題が次々に出るのですが、ちゃんと聞き取れないし、自分の思いも伝えられないもどかしさ……

  もっと世界中の仏教共感者や、仏教瞑想プラクティショナーと語り合いたい!

  

 帰国後は、仏教伝導協会で行われているケネス田中先生の「仏教聖典を初歩英語で学ぶ会」(のちに「仏教を初歩英語で学ぶ会」)に、参加するようになりました。日系三世のケネス先生は、仏教学者であり、浄土真宗の僧侶。現在は武蔵野大学の教授で、日本仏教心理学会の会長も務められています。学ぶ会では、ケネス先生お得意のユーモアや歌をまじえながら、仏教の基礎や経典を楽しく英語で学ぶことができました。

  その学ぶ会が今年度から、仏教英語ガイドの人材を育成も視野にいれたカリキュラムにリニューアル。講師も音楽家であり英語音声学研究家でもあるケアリー田中先生が加わり、より実践的プログラムになりました。

 

 

仏教ガイドとは

  仏教ガイドは、外国人観光客に寺院の解説ができる人材を増やし、仏教に対する理解の広がりを目指すために制定。来年2月に試験を行い、合格者には寺院ガイドの推薦書を仏教伝道協会から発行するそうです。

 

詳細はこちらをご覧ください→http://bdk.or.jp/document/event/english/english.pdf#search='仏教を初歩英語で学ぶ会+ガイド+認定'

 

 

参加レポート 

 先日、第2回目の5月19日に参加しました。実は4月にも申込んだのですが、すでに満員のため参加がかないませんでした。今までこの会では、こんなことはなかったのでビックリ。仏教英語ガイドは、それだけ多くの人に注目されているのですね。

 会場に入ると、80人ほどの受講者でビッシリと埋まり、しっかり学ぼうとする熱気であふれていました。今までの和気あいあいとした雰囲気に親しんでいた私は、ちょっと緊張……

 でも、プログラムを見ると、今までどおり歌やユーモアの時間も組み込まれていてホッとしました。歌はやさしい英語と親しみやすいメロディーでブッダの生涯を紹介した「Long Ago in India」を、美声のケネス先生のリードのもと皆なで歌います。これはアメリカで布教をするなかで、子どもたちのために生まれた曲だそう。個人的にはプラムヴィレッジの歌とともに、大好きな英語の歌です。

 そしてケネス先生は毎回、オリジナルの英語の仏教ギャグを披露されます。カリキュラムが変わっても、ユーモアを愛する先生だけに、これは外されませんでした(^o^)。本当はここで紹介したいのですが、コピーライト(著作権)を取っているそうw。ぜひ、先生の講座などに出席して、直接聞いてください。

 

 講義はケネス先生の英語での仏教用語の解説や、質疑応答の練習、仏教マンガの講読、そしてケアリー先生の発音レッスンなど盛りだくさん。発音レッスンは、この日は音楽を聞きながら発声したり、メトロノームに合わせて文章を読むなど、感覚的に体得できる工夫が随所にありました。

  充実したプログラムで、あっという間に1時間30分がすぎました。ガイドを目指す人には、仏教の教義や歴史など自分で調べて英語で書くことを中心とした課題(宿題)が出ます。けっこうな量になりますが、仏教が好きな人なら、興味をもって楽しく取り組めると思います。また、ガイドを目指していない人は提出する必要がありませんので、気軽にカルチャー教室に通う感覚で参加することも可能です。

 

 現在日本では難しい漢字より、シンプルな英語の説明の方がわかりやすいと、英語で仏教を学ぶ人が増えているそうです。実際、関東ではケネス先生の武蔵野大学をはじめ、東洋大学大正大学でも、英語で仏教を学ぶ講座が行われるようになりました。

 さらに、『英語でブッダ』(扶桑社)の著者であり、講座の事務局を担当をされている仏教伝道協会の大來尚順さんも、仏教を英語で伝えるために学ぶメリットを、このように話されています。

「仏教に詳しい人も英語で学ぶと新たな発見がある。外国人に仏教を伝えるとともに、自らの仏教理解を顧みる機会になれば」(『内外日報』より)

 

 2018年には日本で「世界仏教大会」が、そして2020年にはオリンピックが開催されます。(オリンピックは微妙になってきたようですが……)。そういったなかで、仏教をトータルに理解して、英語で語ることのできる「仏教英語ガイド」の必要性は大きくなっていくでしょう。

 私もこれを機会に、英語で仏教を勉強する時間を増やしていこうと思います。まずは目指せ!仏教英語ガイド3級。(目標設定、控えめ)